Amazonプライムでやたら評価が高かった(☆4.5くらいありました)ので、平日の夜に見ました。
ほとんど涙しない私が、映画を観終わったときに言葉に詰まりました。涙は流れませんでしたが、かなり心震えわされました。
かなりおススメできる家族愛のドラマ映画です!
あらすじ
オギーは生まれつき顔の容姿が人と異なるかたちで生まれてきました。そのため27回整形手術を受けましたが、顔の特異性は色濃く残っていました。両親はしばらく家庭内で教育していましたが、このまま外の世界に触れずに大きくさせてはオギーのためにはならないと思い、学校に通わせる決心をします。学校に登校すると、その見慣れない風貌から好奇の目に晒され、またクラスメートからのいじめにあいます。そうしたオギーを取り巻く家族・友人それぞれの悲しみ、怒り、悩み、葛藤、嬉しさ、そして家族愛、全ての感情が渦巻いています。それぞれが苦しみながらも懸命に乗り越えていく、超感動ストーリーです。
本作の概要
タイトル | ワンダー 君は太陽 |
タイトル(原題) | Wonder (Palacio novel) |
公開日 | 2017年11月17日(アメリカ) 2018年6月15日(日本) |
制作会社 | ライオンズゲート マンデヴィル・フィルムズ パーティシパント・メディア ウォールデン・メディア TIKフィルムズ |
配給 | ライオンズゲート(アメリカ) キノフィルムズ(日本) |
制作国 | アメリカ |
言語 | 英語 |
制作費 | $20,000,000 |
興行収入(全世界) | $305,900,041 |
興行収入(アメリカ) | $132,422,809 |
興行収入(日本) | 6億円 |
主な受賞(ノミネート含む)
◆第90回アカデミー賞 | ||
メイクアップ&ヘアスタイリング賞 | アリエン・タウテン | ノミネート |
◆第23回 放送映画批評家協会賞 | ||
若手俳優賞 | ジェイコブ・トレンブレイ | ノミネート |
ヘア&メイクアップ賞 | "ワンダー 君は太陽" | ノミネート |
アカデミー賞ではオギーの顔のメイクアップの出来からノミネートされています。確かに精巧に作られており、違和感なく物語に集中することが出来ました。
監督、キャスト
監督 | スティーブン・チョボスキー | |
製作 | デヴィッド・ホバーマン | |
トッド・リーバーマン | ||
キャスト | オーガスト(オギー)・プルマン | ジェイコブ・トレンブレイ |
イザベル・プルマン | ジュリア・ロバーツ | |
ネート・プルマン | オーウェン・ウィルソン | |
トゥシュマン先生 | マンディ・パティンキン | |
ブラウン先生 | ダヴィード・ディグス | |
オリヴィア(ヴィア)・プルマン | イザベラ・ヴィドヴィッチ | |
ミランダ | ダニエル・ローズ・ラッセル | |
ジャスティン | ナジ・ジーター | |
ジャック・ウィル | ノア・ジュープ | |
サマー | ミリー・デイヴィス | |
ジュリアン | ブライス・ガイザー | |
シャーロット | エル・マッキノン |
オギー役のジェイコブ・トレンブレイは「ルーム(2015年)」に出演していた子役です。ルームは一度観ていたのですが、特殊メイクもあり全然気が付きませんでした。ルームも母と子の強い絆を描かれていて、とても心にくる映画だったのを覚えています。ジェイコブ・トレンブレイは このまま良い俳優になるのか注目です!
感想(ネタバレ有)
感想を書いていきます。
原作は小説だが、本当にある病気の物語
本作の原作は、R・J・パラシオ著作の「Wonder」という小説です。本書はいじめを題材とした児童向けの小説ですが、多くの人に評価され、NYタイムズベストセラー第1位にもなっています。
R・J・パラシオ氏が本書を書くきっかけとなったのは実体験から来ているようです。ある日、パラシオ氏が子どもたちと買い物に出掛けた際、本作の主人公オギーと同じように障害を持ち、頭部の骨格が人と異なる少女と出くわしました。その少女を見た、3歳の娘が泣き出してしまいました。それを見たパラシオ氏は少女を傷つけたくないと、娘の乗るベビーカーを遠ざけました。それを見た少女の母親は「そろそろいこっか。」と静かに話し、その場を離れたようです。
この経験にパラシオ氏は、自身はどう対応すれば良かったのだろうかと考えたようです。「ジロジロ見ないの」と注意すべきだったのでしょうか?考えた結果パラシオ氏が出した答えは、「あの母親に話しかけるべきであった。少女を怖がることなど何もないことを、その場で娘に教えてあげることべきであった」ということだったようです。それからこの本を書いたようです。
子どもの反応は正直で悪気があるものではないんですよね。それを親や周りの人が一緒に悩み・考え、乗り越え成長していくことが大切なのだと、この映画から学びました。
また、本作のように、遺伝的に頭部に障害を持って生まれてくる子どもは実際にいます。病名は「トリーチャーコリンズ症候群」と言い、10,000人に1人の確率で生まれてくるようです。ほとんどが遺伝的な原因と言われています。
実際のこの病気で苦しんでいる方は大勢おられるようです。症状の程度は人によって様々のようですが、自分の近くにこうした障害を持つ人に変わらず接することができるのか、考えさせられます。
オギーだけでなく、その家族・友人みんながそれぞれの悩みを持っている
本作で悩んでいるのはオギーだけでなく、両親・兄弟・友人がそれぞれの悩みを抱えており、オギー中心だけで語られていません。
例えば、オギーの母親は自分の子どもが障害を持って生まれてきたとき、いじめにあった際にどう子どもに向き合えばよいのか、初めからその答えを持っている人はいないと思いますし、正解はないと思います。問題にぶつかったときに、一緒にオギーと悩み話し、それでも強くないといけない葛藤を、母親役のジュリア・ロバーツから感じました。初日にいじめを受けて塞ぎこむオギーに対して真正面からぶつかるシーンはかなりこみ上げるものがありました。
また、オギーのお姉ちゃんにも悩みがありました。両親は弟オギーにかかりっきりで、でも弟の置かれる状況を考えると何も言えない、けど寂しいのは小さい子どもだから当たり前で葛藤があったと思います。それでも大好きな弟のことを考え親の手のかからないように気を張っていました。そこへ親友の態度の変化などあり辛い状況に置かれます。
それ以外にもオギーの友人ジャックも、普段一緒にいる友人がオギーをいじめの対象とする中、一緒にいて楽しいオギーと居たいけど、自分もいじめや仲間外しの対象になってしまうのではないかという怖さと闘っていました。
いじめっ子であったジュリアンにも悩みがあったのでしょう。子どもに罪はないのだと思いました。
皆が持つそれぞれの悩みに対して懸命に立ち向かっていく姿が描かれています。
感動のラスト!まさにワンダー(奇跡)!!
いじめなどを乗り越えながら、オギーはクラスで人気者になっていきます。そして1年後無事修了することができ、修了式のラストシーン。この1年間最も学校生活に貢献した生徒にオギーが選ばれたのです。拍手に包まれ、学校生徒皆に祝福されるオギー。
入学前と見た目は何も変わっていないのに、周りの目を変えることが出来たのです。まさにワンダー(奇跡)です!!
スターウォーズのチューバッカとシディアス卿の登場秘話!
本作にはスターウォーズのキャラクターが登場します。また、スターウォーズネタが多く出てきます。
オギーが学校の中庭を歩き、生徒から好奇の目に晒されたとき、「チューバッカが歩いていれば、きっと皆見るはずだ」とチューバッカのことを思い浮かべ、実際にチューバッカと対面し、いつもの唸り声をあげます。教室内でシディアス卿が現れるシーンもあります。
また、オギーはホバ・フェットというキャラクターが好きで、ハロウィーンの仮装でやりたいというほどオギーの中で心の支えとなるヒーローでした。皆さん、ホバ・フェットは分かりましたか?下の画像がホバ・フェットで、スターウォーズファンの中では絶大な人気を誇ります。
また、オギーはジェダイの髪形を真似して登校し、からかわれてしまうシーンがあります。
実は、スターウォーズは原作の小説でも登場します。しかし、ディズニー/ルーカスフィルムの著作物であるスターウォーズとの共演は中々難しいはず。この共演実現には、本作のプロデューサーであるデヴィッド・ホバーマンがカギを握っていたようです。
ディビット・ホバーマンは30年間に渡ってディズニーと仕事をしており、ルーカスフィルムの社長であるキャスリーン・ケネディ氏にこう電話でお願いしました。
「この作品はとても特別なものなので、ぜひ脚本を読んでください。あなたたちがサポートしてくれたら、とても嬉しいです」
こうしてスターウォーズとの共演が実現したようです。流石アメリカ、粋ですね。
感想まとめ
とにかく本作は感動ドラマで、観た後ほっこり胸が温まる映画でした。暖かい家族愛が溢れています。
おすすめです。
是非見てみて下さい。
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